「いやぁ!伊東先生!これからよろしくお

「いやぁ!伊東先生!これからよろしくお

「いやぁ!伊東先生!これからよろしくお願いしますね!改めまして新撰組局長の近藤勇です」

近藤は相変わらずニカッと笑う。

「こっちが総長の山南敬助、副長の土方歳三です」

土方と山南は一礼する。

客間には近藤、山南、土方、伊東が並んで座っている。

「伊東先生は剣も学問も優れているそうですねぇ!」

「いえいえ。そんなことはありませんよ」

「またまたぁ!」

喋っているのは近藤と伊東だけで土方、山南は終始無言だ。

「サンナン!伊東先生も北辰一刀流の道場を構えていたんだ。同心として仲良くしてくれ!」

「はぁ」

なんとなくだが山南は困り顔な気がする。

「さっそくですが、伊東先生には参謀に着いて貰おうと思います!」

「近藤さん!」

土方がいきなり声を上げた。

「なんだ歳?」

「いきなり参謀っていうのはないんじゃねぇか?」

「そうか?俺はいいと思うんだがなぁ」

近藤は不思議そうな顔をする。

土方はチラリと伊東を見る。

伊東は冷笑して土方を見ていた。

コソッ

「沖田さん沖田さん!参謀ってなんですか?」

「作戦、用兵について計画やら指導をする人のことです」

美海と沖田は客間の襖に隙間を開け、中の様子を窺っていた。

「作戦なら土方さんと山南さんが立ててるじゃないですか」

いつもは土方が地図を書いて大まかな計画を立て、山南が細かく指摘して作戦を立てる。

「うーん」

「山南さんや土方さんより上の立場なんですか?」

「別扱いですね」

「おかしくないですか?」

「厄介だなぁ…」

沖田はポツリと呟いた。

「じゃあ部屋は用意してありますので休んでてください!長旅で疲れたでしょう」

「じゃあそうさせてもらいましょうか」

伊東は立ち上がった。

コソッ

「沖田さん沖田さん!来ますよ!」

「隠れましょう!」

フッと左右を見る。

隠れるとこ……ねぇよ…。

二人は冷や汗をかき出した。

その間にも伊東は襖に迫る。

やっべぇっ!

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ガラッ

「沖田さん。美海ちゃん。何しとんねん」

「「山崎さん!」」

美海と沖田はちょうど屋根裏にいた山崎に引っ張られ、屋根裏にいる。

その直後に伊東は部屋を出た。

「山崎さん!助かりましたぁ!」

沖田が安堵の息を洩らす。

「山崎さん……」

美海は山崎を見上げる。

「いつまで私の腰持ってるんですか!」

山崎は美海を引き上げた時のまま腰に手を当てている。

沖田はそれにハッと気付き、山崎の手を強引に退けた。

「沖田さん~…。さっきとえらい態度が違うなぁ」

「それとこれとは別です」

山崎と沖田の間では見えない火花が散っている。

美海はそれに全く気づいていない。

山崎のことは只のセクハラ男と思っているようだ。

沖田は沖田なりにアピールしているが全く気づかれない。鈍すぎる。

「しかし。山南さんと伊東センセイは被るなぁ。大阪では人と被るんは御法度やのになぁ」

山崎が口を開く。

「確かに…同じ流派で学問も優れているときた。伊東先生の方が立場が上だし、最近山南さんは刀を振らない」

「山南さんの立場がなくなるわなぁ」

山崎と沖田は頷き合っている。

美海は穴から下を窺っている。

近藤と山南も部屋を出たようで土方だけが眉間に皺を寄せ、腕を組みながら座っていた。

「総司。美海。いるんだろ?」

土方は前を向いたまま口を開いた。

「ほら土方さんが呼んではるわ。行き」

ガラッ

ドン!

山崎は屋根裏の戸を開けると沖田を押した。

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